2012年2月13日月曜日

痛板を作ってみた

スノーボードを先日実に10年ぶりに買い替えました。
その際に、板のスペックを調べていて見つけたのですが、痛車のスノーボード版である痛板なるものがあるらしいですね。
んで、気がついたら作っていました(笑)

備忘録代わりに私がとった手順を書いていきます。
EUROPA(エウロパ)さんの「自作痛板について まとめ」
が大変参考になりました。ありがとうございます。

今回は
・フルラップ(板の全面にステッカーを貼る)
・A4のシートを使う(ロール紙を使って継ぎ目をなくすやり方もあるらしいが、私の安プリンタではそんなことできません・・・)
・画像編集技術は小学生なみなので、抜き(キャラクタを別の背景と合成するために、元の背景から切り離す)をしなくてすむような素材から作る
というコンセプトでいきたいと思います。

1 まずシートを調達します。A-oneの品番28809が定番のようですが、後継モデル品番29421が発売されているようです。28809はAmazonが何か異常な値段になっているので、近所の電気店に見に行ったところ、29421が特価で出ていましたので、今回はこれを使用しました。8枚必要ですので、1セット3枚×3セット必要です。初めての場合は私のようにきっと失敗するので、自分の技術に応じて予備を用意しましょう。

2 A4のサイズは縦297mm×横210mmです。痛板を作成する時は縦置きで横に並べます。そこで、Photoshop等の画像編集ソフトでサイズ297mm×1680mmのカンバスを作成します。今回は昔買ったタブレットに添付されていたPhotshop Elements 6を使用しましたが、画像編集が複雑じゃなければ、ペイントでも十分でしょう。

新規カンバスの設定

3 画像を切ったり張ったり加工したり。この辺は私は素人なので、凝ったやり方は他の画像編集関係のサイトを参考に。んで、とりあえずこんな感じになりました。

左端は余る予定なので、少し余裕を見てデザイン

4 いきなり本番シートに印刷すると、失敗すると目も当てられない事態になるので、型紙作りとテスト印刷を兼ねて、普通紙にグレースケールで印刷します。この際に重要なのがオーバーラップ処理です。

オーバーラップ処理についてはこの動画が詳しいです。
オーバーラップ処理とは、画像をわざと少し重なるように印刷(オーバーラップ)して重なる部分を切断して画像をキレイに合わせる処理のことだそうです。

今回はオーバーラップ部分を20mm確保してやってみたいと思います。
実は私の板は154cmなので、オーバーラップ20mmでは、
継ぎ目7箇所×20mm=14cm
8枚の紙の長さ=168cm-14cm=154cmなのでギリギリです。

最初はオーバーラップ10mmの設定でやってみたのですが、どうも全然余裕っぽいかんじだったので、20mmに変えてみたところ問題ありませんでした。板の実寸が少し短いのかな?

さて、オーバーラップ処理を行うための印刷設定ですが、印刷を開始する左端からの距離を以下のとおり設定してください。
1枚目: -140mm
2枚目: -330mm
3枚目: -520mm
4枚目: -710mm
5枚目: -900mm
6枚目:-1090mm
7枚目:-1280mm
8枚目:-1470mm
この場合、左から14cmは印刷されませんので、デザイン時に注意してください。


1枚目の印刷設定

ちなみに154cmを超える板は、オーバーラップ10mmにしないと長さが足りません。10mmの場合の印刷設定はこちら。
1枚目:   -70mm
2枚目: -270mm
3枚目: -470mm
4枚目: -670mm
5枚目: -870mm
6枚目:-1070mm
7枚目:-1270mm
8枚目:-1470mm
こちらの場合は、左から7cmが印刷されないゾーンとなります。

5 印刷ができましたら、オーバーラップ部分を重ねてテープで止め、1枚の長いシートにしてしまいましょう。
こんな風に印刷されたものを

オーバーラップ部分を重ねてテープで留めます

6 ボードのビンディングをはずします。今回はSALOMONのDRIFT ROCKERを痛板にします。買ってからまだ2回しかゲレンデ行ってないけど、まぁいいや(笑)。
今回の実験台

7 さて、板の上に先ほど印刷して繋いだシートを良い感じになるように合わせます。ポジションが決まったらテープで数箇所留めて、ペンでボードをなぞって型を取ります。

8 型紙のラインが引き終わったら、テープをはがして型紙を取り、ラインの通りに切り抜きます。これで型が出来上がり。同じ板であれば、2回目以降はこの型紙を取る作業は不要です。
型紙完成!

9 さて、いよいよカラー印刷を行っていきます。用意したA-oneのシートを取り出します。印刷用3枚と保護シート3枚が入っているので、印刷するシートを間違えないよう、また印刷の裏表に注意してください。
印刷されたシート、初めてにしてはまぁまぁキレイ?
10 最初の山場、印刷されたシートに透明保護シートを貼っていきます。透明保護シートの剥離紙は端だけ細く2行に分けてはがせるようになっているので、上から2つ目の細い剥離紙をはがして、印刷した紙に貼り付けます。この時、慎重に縦横を合わせて、ずれないように気をつけてください。
 貼れたら、端の細い剥離紙もはがして、貼り付けてしまいます。指で押さえて空気を抜き、きれいに貼れたら、印刷面を下に向け、先ほど保護シートを張った部分をテープでテーブルと留めます。
テーブルにテープで留めたところ。
見にくいですが、下1cmの部分は剥離紙が剥がされ、
保護シートが貼り付けられた状態になっています。

 この状態で、保護シート部分を手前にひっくり返し、タオルを巻いた定規で剥離紙を押し出すように剥がしていきます。下に強く力を入れながら押すのがポイントです。上手くいけば保護シートが空気を噛まずにキレイに貼れます。これを8枚分繰り返します。
集中しましょう。正念場1

11 山場2、オーバーラップ部分を削除していきます。左右の画像を慎重に合わせてテープで留め、重なっている部分をカッターで切り抜きます。ここで、重ね方がマズかったり、切り方が弱く、重なった上のシートと下のシートで切った場所が微妙に違ったりすると、ずれてしまいますので要集中力。なお、手順について、詳しくは先の動画を参考にしてください。
左右を慎重に合わせて

テープで仮留め
(印刷面にあまり長い時間テープ貼ると跡が付くので注意)

テープを長く切り、新聞に固定してしまうのがコツ

切れました。切れ端とテープを片付けたら

完成!

12 型に合わせて切り抜くために、仮留めして全てのシートを繋ぎます。張り終えたら、上から型紙を重ね、ポジションを決定したら同じくテープで仮留めします。型紙をペンでなぞって、型紙と同じ形に切り抜きます。
見にくいですが、カラー原稿に型紙が重なっているの図

13 ここまでで、ようやくボードに貼れる状態になりました。ボードに貼るときは、一発入魂でそのまま貼っても良いですが、まず間違いなく変な方向に曲がっていくので、「水貼り」というやり方で貼っていきます。ここが最大の山場です。集中していきましょう。
 霧吹きを用意して、水500mlぐらいに洗剤1滴を垂らしたものを入れます。板および剥離紙を剥がしたシートに満遍なく水を吹きかけて、張っていきます。この時、ケチると張り付いてしまうし、多すぎると保護シートの隙間に水が入って絵が滲んでしまう恐れがあります。感覚的には、水が滴らないギリギリの量ってところでしょうか。
 そのようにして貼ったシートは水で浮いていますので、微調整が効きます。ポジションが決定したら、短めの定規(10cmぐらい)にタオルを巻いて一定の方向に水を押し出していきます。空気が入っても慌てずに、水で濡れている内は簡単に追い出せますので、定規で慎重に排水していきましょう。
貼り終えた。水吹きすぎて少し滲んじゃった orz

14 あとは、エッジからはみ出した部分を仕上げにカッターで切ってあげましょう。少しのはみ出しでもマメに切っておけば、キレイに仕上がるだけでなく、剥がれにくくなります。
 ちなみに、接着剤で側部を補強すれば耐久性がかなり変わるらしいのですが、さすがに買ったばっかりのボードなので、私はしませんでした。お好みでどうぞ。

と、まぁ結構手間はかかるんですが、こういう作業自体を楽しんで出来る方なら、そんなに器用じゃなくても、それなりには仕上がりますよ。
シルエットなので、そんなに痛くな・・・くもないか。
ということで、次回のボードはこれで行ってきます。

1 件のコメント:

  1. とても参考になりました!
    ありがとうございます!

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